症例報告
年代:30代
職業:デスクワーク
性別:女性
主訴:
2年前のスポーツ中の大きな怪我による膝手術後、可動域制限と階段昇降・歩行時の不安定性が続いていた。
原因:
スポーツでの怪我とその後の手術の影響。
既往歴:
反対側の膝にも手術歴あり。
お悩み:
膝の不安定性が強く、階段の上り下りや早歩きが困難。曲げ伸ばしの制限も大きく、常に不安を抱えていた。
初回の状況:
初回来院時は膝の可動域が著しく制限され、常に膝に力が入る状態。股関節の左右差も強く、骨盤やインナーユニットが働かず、腰痛の兆候もあった。デスクワークによる巻き肩姿勢も加わり、全身のバランスが崩れていた。
施術では、骨格を正しい位置に整え、筋肉の癒着をリリースして可動域を改善。運動療法ではインナーユニットの活性化を重視し、股関節をしっかり引き込み、臀部の収縮を促すトレーニングを行った。これにより、膝への負担を減らし不安定性の軽減を図った。
6回目の状況:
6回目には、階段昇降時の不安定性が軽減。ご本人が「お尻を使って上る・下りる」ことを意識し続けた成果で、膝への負担が減少してきた。ただし、長距離歩行や階段が多い場面では膝への負担が増えやすく、今後も「お腹とお尻を主導に動く」習慣を定着させる必要がある。
現在は「軽いジョギングを再開したい」という目標に向け、週1回の施術とセルフエクササイズを継続中。膝に頼らず全身を連動させる使い方を習得し、より動けるカラダづくりを進めている。
まとめ:
本ケースは、膝手術後の可動域制限や不安定性を抱えながらも、「股関節と体幹を使った正しい動作」を学ぶことで階段昇降の安定性が改善した好例である。膝そのものを強化するのではなく、骨盤・股関節・インナーユニットを中心に全身の機能改善を進めることが、膝の再発予防とより動けるカラダづくりにつながっている。
今後もジョギング復帰を目指し、再発を恐れず動ける体へ導いていきたい。
