症例報告 年代:60代 職業:接客業 性別:女性 主訴 右肩の外転・挙上障害、背部から腰部にかけての痛み 原因 自転車運転中に車と接触し転倒。その際、右肩を強くねじり、背部から腰部にかけて強い筋緊張が発生。 既往歴 交通事故による負傷経験あり。慢性的な腰痛、肩関節周囲の違和感を抱えていた。 お悩み 事故後から右肩を90°以上外転・前方挙上しようとすると激痛が走る。 また、腰の前屈や側屈・回旋動作で痛みが強く、仕事や日常生活に大きな支障が出ていた。 「少し動かすだけで痛い」「このまま動かなくなるのでは…」という不安を強く感じていた。 初回の状況 初回検査では、右肩外転・前方挙上時に強い痛みと可動域制限があり、肩をそれ以上上げられない状態。 転倒時に自転車を支えようとした際の反射動作により、腰にも過剰な負担がかかっていた。 股関節や胸郭の動きも制限され、全体的に筋緊張が強く、特に肩関節周囲には持続的な痛みが見られた。 初期段階では炎症反応が強く、無理な動作での悪化を防ぐため、 まずは「お腹まわりの安定(体幹の支持性)」を高め、胸郭の正しい位置を取り戻すRebodyアプローチを実施。 胸郭と骨盤の連動を意識したエクササイズと、肩関節周囲の機能改善を目的とした処理を行った。 施術後は、肩の可動域にやや改善が見られたが、炎症による痛みは依然として強く残る状態。 腰部についても、骨盤体の歪みを整えながら、股関節と胸郭の動きを引き出すことで“動ける準備”を整えていった。 6回目の状況 セルフケアを日課として継続していただき、胸郭・骨盤・股関節・背骨の連動性を高めるエクササイズを習慣化。 もともと姿勢の崩れが癖になっていたため、「正しい姿勢=動けるカラダ」を意識して取り組んでもらった。 炎症反応はまだ残るものの、右肩の可動域は徐々に改善傾向にあり、 「肩が少しずつ動かせるようになってきた」「動かす怖さが減ってきた」と前向きな変化を実感。 腰部の動きにも安定感が出てきており、体幹の使い方の理解が深まったことで、 無意識のうちに負担をかけていた動き方のクセが修正されつつある。 今後の方針 今後は「量的な動きの獲得」と「可動域の更なる改善」を目標に、 ストレッチポールやアシスティックを活用しながら“正しい動きを学ぶRebody”を継続。 ご自身でも「今まで動かしていたつもりが、実は足りていなかった」と気づかれ、 動作の質を意識できるようになってきている。 再発予防とより動けるカラダづくりのために、 正しい姿勢・機能的な動作を身体に再教育し、 痛みのない生活を安定的に維持できるよう支援していく予定。
