症例報告 年代:50代 職業:専門職(製造関係) 性別:男性 主訴 慢性的な腰痛、右肩の可動域制限と挙上時痛 原因 日常業務において中腰姿勢での作業が多く、同一姿勢を長時間続けることが多い環境。加えて、重量物を扱う場面が多く、腰部・右肩に継続的な負担がかかっていた。明確な外傷や急激な負荷はなく、日々の身体の使い方の積み重ねが原因と考えられた。 既往歴 特記すべき外傷・疾患なし お悩み 腰痛を根本的に改善し、仕事中も不安なく動ける身体を取り戻したい。 右肩をしっかりと上まで挙げられるようになり、作業時の制限や痛みをなくしたい。 初回の状況 腰部は伸展・屈曲ともに制限があり、特に前屈・中腰姿勢で痛みが出現。腰をうまく伸ばせず、腰部主導の動きが強い状態であった。 右肩は挙上可動域に制限があり、目視で約90〜100度付近から疼痛が出現。 検査の結果、骨盤アライメントを適切な位置に調整すると、肩の挙上は110度以上まで痛みが出にくくなる反応が確認された。また、腹部を安定させ股関節主導で前屈動作を行うことで、腰部の痛みが軽減。 これらより、腹部体幹機能の低下と骨盤の歪みが強く、結果として腰部・肩関節に負担が集中している状態と判断した。 施術・アプローチ まず骨盤・脊柱・胸郭のアライメントを整え、「動きやすい土台」を構築。 右肩に関しては、胸郭・肩周囲の筋膜の癒着が強かったため、筋膜リリースと関節モビライゼーションにより可動域改善を図った。 その後の運動療法では、腰から曲げない動作習得を目的に、股関節を引き込む動き(お辞儀・中腰動作)を反復練習。併せて、腹部インナーユニットを活性化させ、体幹が安定した状態で動ける身体づくりを行った。 施術後は腰椎伸展・屈曲時の痛みが軽減し、中腰姿勢の安定性も向上。肩は120度付近での運動痛が一部残存したため、セルフケアとして股関節運動と腹圧トレーニングを自宅課題とした。 6回目の状況 自宅でのセルフケアが徐々に習慣化し、背骨の柔軟性向上と股関節主導の動きが日常・仕事中にも定着。作業時の腰痛は約8割改善した。 急な動作や重量物を扱う際には違和感が出る場面もあるため、今後は負荷を段階的に高めても耐えられる身体づくりを継続予定。 肩に関しても胸郭・脊柱の動きが改善し、可動域制限は軽減。姿勢が崩れやすい点が残るため、ストレッチポールの活用と運動療法による機能強化を継続し、再発しにくく「より動けるカラダ」への定着を目指している。
