症例報告
年代:30代
職業:デスクワーク
性別:男性
主訴
肩関節周囲の可動域制限、姿勢不良、肩の不安定感
原因
過去の左肩脱臼、長時間のデスクワークによる姿勢の崩れ
既往歴
顎関節症、左肩脱臼、不定愁訴
お悩み
作業時間に集中できるようにしたい、肩関節の可動域を広げたい、姿勢を改善したい
初回の状況
ご本人はデスクワーク中心の生活を送られており、長時間同じ姿勢が続くことで肩や体幹に強い硬さが出ていました。特に左肩に関しては、過去の脱臼による影響もあり、挙上や後方への動きで強い不安定感と「抜けそうな怖さ」を訴えられていました。そのため無意識に動きを制限し、さらに姿勢の崩れ(猫背や巻き肩)を助長していました。
立位姿勢や座位姿勢を観察すると、骨盤や背骨の柔軟性が乏しく、どこに身体を正しく持っていけば良いか分からない状態。検査においても、背骨の柔軟性欠如、猫背、左右差の大きな股関節・肩関節の動きが顕著に見られました。こうした全体的なバランスの乱れが、肩の可動域制限や不安定感をさらに悪化させていたと考えられます。
そこで初回からは、肩そのものに負担をかけないように配慮しつつ、背骨や股関節といった“土台”からの機能改善を図りました。手技療法で関節の動きを引き出し、運動療法では正しい動きのパターンを学習していただくことにより、「動けるカラダ」を再教育していくことを重視しました。
6回目の状況
6回目の時点では、肩を動かす際に「肩から動かす」習慣を修正し、胸郭や背骨、体幹からしなやかに連動して動かすことができるようになってきました。その結果、肩の挙上・伸展・後方への動作など、これまで制限の強かった可動域が改善。動作時の不安定感や恐怖感も軽減し、自信を持って肩を使えるようになってきています。
さらに、ご自宅ではストレッチポールやアシスティックを活用したセルフケアを継続。日常生活の中でも姿勢を意識しやすくなり、正中軸を保つ感覚が身についてきました。その成果として、デスクワーク中も姿勢が崩れにくくなり、集中力の持続にも良い影響が出てきています。
今後の展望
現在は肩の動きに安定性が出てきた段階ですが、まだ課題は残っています。今後はさらに体幹からの動きを深め、「より動けるカラダづくり」を進めていくことが大切です。肩だけに頼らない全身の連動を高めることで、再発予防につなげながら、仕事や日常生活をもっと活発に行える状態を目指します。
+Rebodyとしては、機能改善と再発予防を両立し、ご本人が本来持つ力を最大限に引き出せるようサポートを続けていきます。
